イシヨウジとキシマイシヨウジ 観察の記録
今日も海は大荒れです。。。はぁ。。。
明日もまだかなり厳しい予報となっています。
明後日以降、少しでも海が落ち着いていきますように。。。
そんなわけで、前々からまとめようと思っていた「イシヨウジとキシマイシヨウジの観察記録」について。
今日は朝から、自分が記録したものをエクセルに打ち込みわかりやすくまとめる作業をしました。
一通り作業は済んだので、ブログにてご報告させて頂ければと!
「イシヨウジ産卵中 メスからオスへ卵の受け渡し」
この写真は初めて産卵シーンを見た時に撮影したもの。
この後何度も産卵シーンを撮影したけど、結局この写真が一番撮れている気がします笑
3月末から開始したイシヨウジの観察。
ビーチポイントのエントリー口付近の極浅場に複数個体いることは前々から知っていたので、通常のボートダイビングの一本目出航前に早朝から潜って観察を始めました。
途中で、キシマイシヨウジの方が圧倒的に個体数が多いことに気づき、この2種とも観察することになりました。
開始の時点で既に卵を抱えたオスがいたので、繁殖期はいつから始まっているのかわかりません。
ただ、10/31現在でも卵を抱えたオスがいて、3月以降タイミングを見て毎月数度潜って観察しているのですが、その都度卵を抱えたオスを見かけています。
恐らく僕が観察を始めた3月末以降は、水温の変化に合わせて産卵するペースは変わっているけど、ほぼ休むことなく産卵をしていると思います。
今となっては、水温が20℃下回る事がほとんどない久米島では、通年繁殖期なのではないか?とさえ思い始めてます。
11月以降の観察については、観察しているポイントが冬場は荒れてしまってほとんど入れないので、風が緩まって行けるチャンスがあれば潜って見てこようと思います。
「キシマイシヨウジ挨拶行動」
イシヨウジ、キシマイシヨウジともに産卵に関する一連の行動はほぼ同じような感じです。
季節問わず日の出直後にペアによる挨拶行動が始まります。
ペアで身体を重ねてクロスしたり、少し上体を立てて弧を描くように背中を丸めてお腹を見せ合ったりするような仕草も見られます。
この時両種とも背中の赤い筋の色が濃くなります。
キシマイシヨウジは背鰭に赤い点があるのが一つの特徴ですが、この背鰭の赤い点もほんのり濃くなるような感じがします。
この時点でオスがお腹に卵を抱えている場合は、当然この日に産卵することはありません。
オスのお腹に卵が無く、挨拶行動の後もつかず離れずの距離感を保つペアはこの日に産卵する可能性が高いです。
「キシマイシヨウジ産卵前」
産卵のタイミングが近くなると、ペア同士並んで、タイミングを計るかのように「上体を立てては着底する」回数が多くなってきて、何度も繰り返した後、タイミングを合わせて浮遊します。
この時点で、メスのお腹の一部がぷくっと球状に膨らんでいるのが見えます。
オスは卵を抱えていないもののお腹は横に広がっています。
「キシマイシヨウジ このタイミングで交尾しているような感じも…。」
「キシマイシヨウジ 卵の受け渡し」
ペア同士で浮遊した後は、半円を描くように身体を動かしながら産卵(卵の受け渡し)をします。
この時、メスが内側でオスが外側のポジションになります。
イシヨウジの産卵についてSNSやブログ等で以前から発信されていた鹿児島の「ダイビングショップSB」の松田さんから、遠心力を利用してオスが卵をキャッチしているという風に聞き、その表現がとても分かりやすくしっくりきました。
「キシマイシヨウジ産卵直後」
産卵直後は、約3分程ペア同士で上体を立てたまま、お腹を擦り合わせるようにくねくね泳ぎ、オスのお腹に卵を定着させます。
このくねくね泳ぎが見ていて何とも可愛らしい上に、おすすめのシャッターチャンスでもあります!
このくねくね泳ぎが終わると着底し、しばらくするとペアはそれぞれ別行動をとるようになります。
産卵の一連の流れはこのような感じで、現時点で20回以上は産卵を確認したのですが、日の出の時間が季節と共に変化するのに合わせて多少違いはあるけれど、大体いつも同じような時間に産卵していました。
「キシマイシヨウジ産卵直後 メスが一緒にくねくね泳いでくれない。。。」
観察を続けていると、時々クスっと笑っちゃうようなイレギュラーに遭遇することも。
上の写真は産卵直後にメスがなかなか一緒にくねくね泳いでくれず、オスがさみしそうに一人でくねくねしてました笑
この時はしばらくするとメスも少しだけくねくね泳いでくれたのですが、一緒に観察していたお客様が別のペアでも同様の現象を見たらしく、そのペアはメスが全く泳いでくれなかったので、オスは海底にお腹を擦りつけていたようです。
それは何とも寂しい。。。笑
「イシヨウジ産卵直後に謎の乱入者」
この現象はイシヨウジだけで見れたのですが、これから産卵しようとしているペアに、時々割って入ろうとする乱入者がいました。
産卵しようとタイミングを合わせているところに割って入って来るもんだから、ペアが嫌がって産卵のタイミングがどんどん遅くなったりしました。
さらに産卵直後にはなぜか一緒になって上体を立てて似た様に身体をくねくねさせて泳いだり。。。
もはや仲間の産卵を一緒に祝福しているのかなとさえ思えてきました笑
「キシマイシヨウジ孵化当日卵」
今のところ孵化のシーンは一度も確認できていませんが、この状態の卵を発見した翌日には卵が無くなっていたので、この日の夜に孵化させているのだと思います。
明らかに卵が大きくなり、こんもり盛りあがるような感じになるので、普段だと覗き込んでもなかなか見えない卵が、容易に見えるようになります。
仕事のことや諸々の状況を考慮すると、なかなか孵化のタイミングに狙って入ることはできなかったですが、それは引き続きチャンスをうかがっていきます!
「キシマイシヨウジ 卵の目が透けて見える」
孵化当日の卵でなくても、ある程度発育が進んだ卵であれば、卵の目が透けて見えてます。
肉眼でここまで見るのはちょっと厳しいかもしれないですが。。。
「イシヨウジ産卵とこの日が誕生日のお客様」
長々と書いてきましたが、最後はこの夏の思い出の一枚!
この日が誕生日のお客様と!
素敵な記念ダイブになりました!
連続台風のおかげでゆっくり時間が使えるもんだから随分長いブログになってしまいました。。。(^^;
普段は全然ブログ書かないのに。。。
観察を初めて約7ヵ月。
そろそろ時期的に観察が難しくなってくるので、一度データをまとめてはみましたが、まだ可能な限り観察は続けます!
そして、来シーズンはより多くの人に、「イシヨウジ・キシマイシヨウジの産卵」をご案内できたら嬉しい限りです!
最後まで読んでくれる人いるかな?笑
長文失礼しました。
お読み頂きありがとうございました!
健太朗
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